ご飯離れでも、なぜかふりかけ市場は拡大の謎

“ご飯のお供”のたどる道(後篇)

2015.04.17(Fri)漆原 次郎

 松山氏が話す「スチームオーブン製法」は、いままでにないふりかけの製法だ。通常、ふりかけでは、顆粒などの素材を製造し、胡麻や海苔などと混合し、そして充填包装する。「超ふりかけ」でもこの基本的な製造工程は同じようだが、フレークを製造する方法に新製法、つまりスチームオーブン製法が使われている。

「この製法では、水蒸気を加圧環境に置くことで100℃より高温の状態にします。その蒸気で瞬間的に原料を乾燥するのです」

 水の最高温度はふつう100℃と考えられがちだが、水蒸気に強い圧力をかけるなどして加熱させると100℃をはるかに超える。その水蒸気は「過熱水蒸気」とよばれ、大きな熱エネルギーを持った気体になっている。スチームオーブン製法では、この過熱水蒸気で素材を乾燥させてフレークをつくる。この原理は調理家電などにも用いられているものだ。

 過熱水蒸気で乾燥させると、どのような良いことがあるのだろうか。松山氏は「旨味の主な要素となる油脂分を多く使うことができるようになるのです」と話す。

 従来の顆粒の製造法では、粉末の調味料を混ぜたものを顆粒状に成型して、それを乾燥させる。だが、この乾燥法では油脂分が多いとうまく成型、乾燥ができない。油脂分が酸化しやすいのも難点だ。

 一方、スチームオーブン製法ならば、フレークに油脂を多く含ませたまま乾燥させることが可能になる。酸化もしにくい。旨味成分を多く含んだフレークを作ることに成功したわけだ。瞬間的に乾燥させることで、さくさくとした食感も保たれるという。

 取材後、家であらためて白いご飯に「超ふりかけ」をかけて食べてみた。コメ粒の表面にふりかけの顆粒がころころ。口の中に入れると、ご飯の甘さとふりかけの旨味、そして香りが相まっていく。そこにさくさくした歯ざわりも加わる。あっというまに一膳を食べ終えてしまった。

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