日本企業では、従業員の報酬格差は抑えられているので、実感しにくいかもしれませんが、世界で起きていることは、何らかの形で日本にも必ず影響を与えます。もう少し話を進めましょう。

「ローカル・ホワイトカラー」が最も大変になる

 今後、世界の中流階級の人口が爆発的に増えることは我々に大きな影響を及ぼします。現在、年収150万~1500万円程度の中間層の人口は世界中で20億人、これが2030年には50億人に増えることが予想されています。

 信じられないことですが、都市人口は全世界で毎週100万人増えています。

 余談ですが、この内容は、米国オンラインコースで、一流MBAであるウォートンスクール(米ペンシルベニア大学のMBAコースの別称)の「Analyzing Global Trends for Business and Society」にて紹介されています。やはり、グローバルで情報収集できると、何かと便利です。

 そして、教育熱心なインド、中国、アジア各国の人々は、間違いなく優秀なホワイトカラーとなります。かつて先進国では、工場移転で産業空洞化を懸念していましたが、これからは一歩進んでホワイトカラーが激戦区です。

 変化はすでに起きています。

 外資系企業では、会計・財務などの定例仕事はマレーシアなどの集中処理センターに移管され、日本での仕事はほぼなくなりました。グラフィックスなどの仕事も、IT技術の発達でインドに集中できるようになっています。

 「この仕事は日本でしかできない」と思っている仕事も、様々な形で海外に必ず流出します。