2月22日(米国時間)、アカデミー賞が発表される。

86年間をアカデミー賞受賞作で振り返る

第87回アカデミー賞、『バードマン』『グランド・ブダペスト・ホテル』が最多9部門ノミネート

第87回アカデミー賞主演男優賞の候補者たち(2015年1月15日撮影)〔AFPBB News

 「今年の1本」とも言える作品賞候補は、ネイビー・シールズ狙撃手の物語『アメリカン・スナイパー』、米国公民権運動のさなか起きた「血の日曜日」を描く『Selma』、アラン・チューリングが主人公の『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』、スティーヴン・ホーキング博士の半生記『博士と彼女のセオリー』、といった実話を中心に据えた作品が目立つ。

 その一方で、12年の歳月をかけ同一俳優で撮られた少年の成長物語『6才のボクが、大人になるまで。』、ブロードウェイ俳優が再起にかける『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』、ジャズドラマーを目指す青年と教師を描く『セッション』、高級ホテルのコンシェルジュとベルボーイが織りなす独特の世界『グランド・ブダペスト・ホテル』があり、バラエティに富んだ候補となっている。

 今年で87回目を迎えるアカデミー賞だが、過去の受賞作を知るのであれば、ネット検索で用は足る。しかし、ずらり並んだ作品名を眺めたところで、イメージは湧いてこないし、いちいち調べるのも億劫だろう。

 そこで、今回は、これまでの受賞作すべてを、時代や社会の流れに沿って、おさらいしてみたいと思う(以下登場する『』で示した映画はどれも作品賞受賞作。()内には製作年度とともに、第何回受賞作なのかを併記した)。