「Top Risks 2015」が発表された。コンサルタント会社ユーラシア・グループによる年始恒例のこのリポートで最大のリスクとされたのは欧州の政治。

 EUに背を向け内向きになる一方で、ロシアや「イスラム国」といった外的要因も懸念材料としている。

イスラム国、中台関係の悪化もリストアップ

イスラム国空爆で民間人犠牲の可能性、米軍が初めて認める

米軍などによるイスラム国への空爆(2014年11月)〔AFPBB News

 さらに、そのロシアや「イスラム国」、サウジアラビア・イラン(つまりスンニ派対シーア派)や中台関係の悪化、中国経済減速や金融の武器化、新興国指導者の求心力低下、経済への国家介入などが挙げられ、2年連続でトルコもリストアップされている。

 年の始めは、こうした予測がメディアをにぎわすが、当コラムでは、身近な未来を描き、多くの人に「2015年の世界」を思い描かせた大ヒット映画から見ていくことにしよう。

 1985年10月を起点に時空を駆け巡る3部作の第2弾『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』(1989)である。

 マイケル・J・フォックス演じる高校生マーティが、タイムマシンを発明した科学者ドクとともに過去を未来を変え続ける話が、悪役ビフをからめ展開していくこのシリーズ。第1作で30年前に行ったマーティは、『PART2』では30年後の世界、つまり2015年へとやって来るのである。

 そんなマーティも興味津々の未来社会でまず目につくのが、地上を走り空を飛ぶ自動車。現実の2015年では「一般性」という意味ではもちろん「未」だが、米国の「Terrafugia Transition」やスロバキアの「Aeromobil」など空飛ぶ車は既に存在している。