ペルーの首都リマで開かれていた国連気候変動枠組み条約第20回締約国会議(COP20)は、2020年以降の温室効果ガス排出削減目標を自主的に掲げる基本ルールに合意して閉会した。

日本には爆弾低気圧、米国は竜巻、スリランカは洪水

COP20、削減目標の形式などで合意 延長2日目 妥協の末

南米ペルーの首都リマで開催中の国連気候変動枠組み条約の第20回締約国会議(COP20)〔AFPBB News

 先進国だけが削減義務を負った京都議定書と異なり、すべての国が削減目標を掲げ、来年12月パリで開催されるCOP21へと臨むことになるが、相変わらず、先進国と新興国・途上国との間の溝は深く、随分と妥協をしての結果だったという。

 そんな会議期間中も、日本では「爆弾低気圧」による猛吹雪、米国では竜巻、スリランカでは洪水、と相変わらず地球は荒れていた。

 そして、フィリピンには大型台風22号(Typhoon Hagupit)が上陸。昨年11月、最大瞬間風速90メートルを記録し、7000人以上もの死者不明者を出した「Typhoon Haiyan(台風30号)」の傷跡もまだ癒えない中でのことである。

 毎年、平均して45ほどの台風、ハリケーン、サイクロンといった強烈な嵐が発生し、強風や高潮などで何百人もの人々が犠牲となる。そんな様子を描いた映画は、『ハリケーン』(1937)など、南海の小島を舞台としたものが定番である。

 しかし、昨年のアカデミー賞で、9歳のクヮヴェンジャネ・ウォレスが主演女優賞史上最年少候補となり話題となった『ハッシュパピー バスタブ島の少女』(2012)は、米国ルイジアナ州が舞台。

 氷河崩落などの映像も織り込まれ、地球温暖化の影響を示唆するこの作品は、2005年8月、ルイジアナ州最大の都市ニューオーリンズを中心に2000人近い犠牲者を出したハリケーン・カトリーナを連想させるものである。

思いのほか、救援活動が進まず、被災民の多くを映画の主人公同様の黒人が占めていたことから、人種差別が原因では、との指摘もあった。