出でよ!福島のおいしさを雄弁に語る小売り

味の社会学(第18回)

2015.02.23(Mon)菅 慎太郎

無口な小売りは怠慢でしかない

 このように、福島県の生産者、食品メーカーは品質の追求やPR活動に一生懸命取り組み、売上を復活させようと努力をしています。しかし検査で安全性を証明したとしても、消費者がいちど抱いてしまったイメージを拭い去るのは簡単なことではありません。

 そこで必要なのは、現場の取り組みを消費の現場に発信することであり、一人ひとりの消費者に食べてもらい納得してもらう地道な活動の積み重ねです。

 そして何より、「県外の人が認めること」が信頼を後押しします。生産者や企業が県外に出かけ、自分たちで安全性やおいしさを訴えても、消費者の不安はなかなか拭い切れません。県外の「小売り」が福島県の農産物の安全性を認め、プロモーションしてくれれば流れは変わっていくことでしょう。

 遠方のおいしいもの、見知らぬおいしさを、店頭のコミュニケーションを通して消費者に伝え、購入してもらう。それが本来の小売りの役割であったはずです。商品の良さを伝えられない小売は単なる「利ざや稼ぎ」であり、消費者との対話をしない小売りは怠慢でしかありません。

 今こそ「目利き力」のある小売りが現れることを期待してやみません。

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