日本の謝罪外交は「失敗」である

 ヤマザキ氏は特に日本の謝罪を1965年の日韓国交正常化にまでさかのぼって詳細に紹介し、その総括を「不毛」とか「失敗」だと特徴づけていた。日本の謝罪外交の決算は失敗だというのである。

 その理由は次のように記されていた。

 「日本は首相レベルで中国や韓国に何度も謝罪を表明してきた。だが、歴史に関する中韓両国との関係は基本的に改善されていない。国際的にも『日本は十分には謝罪していない』という指摘がなお多い。これらの現状が、日本の謝罪が失敗だったことの例証となる」

 こうなると、ひたすら「おわび」を繰り返してきた菅首相はじめ日本の歴代首相は哀れである。いくら謝罪をしても、その効用が何もないからだ。その理由の大きな部分についてヤマザキ氏は以下のように総括していた。

 「謝罪が成功し、効果を生むためには、謝罪の相手がそれを受け入れる用意があることが不可欠だ。だが、韓国や中国にはその意思はなく、歴史問題で日本と和解する気がないと言える」

 だから日本の首相の「おわび」はただ虚しく自虐の暗渠に消えていく、ということなのだろう。