昨年夏から密かに続けていることがある。JBPressの英語版に毎週必ず1本、英語でコラムを書くことだ。今週で67回目。どんなに寝不足でも、二日酔いで朦朧としていても、これだけは毎週欠かさない。
今週書いたのは最近の中国外交の二枚舌、タイトルは「Another Case of Chinese Double Tongue?」とした。今回は英語版を適宜翻訳しながら、独断と偏見を書いていきたい。
人民解放軍主催フォーラム
あまり知られてはいないが、去る11月21~23日、北京で安全保障に関する「香山フォーラム」という会合が開かれた。主催は中国軍事科学院、今年で5回目になる。
興味深かったのは、冒頭、常万全国防部長が従来とは若干トーンの異なる「基調講演」を行ったことだ。日本のメディアでこれを真面目に報じたのは朝日新聞だけだったと思う。さすがは朝日、ちゃんとフォローはしている。
それはさておき、各種報道によれば、常国防部長はアジア太平洋地域において平和と安定を維持するため、次のような努力が必要だと述べたそうだ。
(1)防衛当局間のホットライン設置など危機管理体制を構築すべし
(2)防衛交流の活発化により相互信頼を強化すべし
(3)アジア地域における運命共同体意識を強化すべし
(4)列強による侵略など苦難の歴史を繰り返してはならない
(5)世界各国は軍事の情報化に向け改革を進めているが、その面で中国は劣っている
最後の点につき常部長は、特に、「現在に至るも人民解放軍の機械化は未完成であり、情報化はやっと始まったばかり」であり、「世界の先進的な軍事レベルと比較し、依然として大きな差がある」と述べたそうだ。
それだけではない。同フォーラムに出席した前国防部外事弁公室主任は日中関係について次のように語ったという。