米アップルは、今年買収した米ビーツ・エレクトロニクスの音楽サービスを、アイフォーンやアイパッドなどのOS「iOS」にバンドルする計画だという。英フィナンシャル・タイムズが11月19日付の記事で伝えている。
記事によると、アップルはiOSのアップデートで、ビーツの音楽ストリーミングサービス「ビーツミュージック(Beats Music)」を標準搭載する。その時期は早ければ来年3月。ただし、アップルはビーツのブランドを再構築し、自社ブランド「アイチューンズ(iTunes)」の下でサービスを展開する可能性もあるという。
アップルが持つ3つの音楽事業
アップルは今年、音楽配信サービスも手がけるヘッドホンメーカーのビーツ・エレクトロニクスを30億ドルで買収した。これは同社創業以来最大の買収金額だ。
もしこの計画が実現すれば、アップルは初めてビーツ事業の本格的な収益化を図ることになると、フィナンシャル・タイムズは伝えている。
これにより、アップルには(1)アイチューンズストアによる音楽ダウンロード販売、(2)昨年9月に開始したインターネットラジオ「アイチューンズラジオ(iTunes Radio)」、そして(3)「ビーツミュージック」の、3つの音楽事業が揃うことになる。
ただし、ダウンロード販売については先頃、売り上げが急速に落ち込んでいると伝えられた。その背景にあるのは、ストリーミングサービスの利用増。消費者の音楽の聴き方に変化が表れていると指摘されている。
これに対しアップルのアイチューンズラジオはストリーミングサービスとなる。こちらもダウンロード販売同様、パソコンのアイチューンズソフト、iOS端末の音楽アプリ、Apple TVで提供されている。アイチューンズラジオは無料の広告付きサービスだが、年間24.99ドル払うと、広告が付かなくなる有料オプションもある。