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──地方には特に多いということですか。

冨山 ローカル経済圏では本当の意味での競争がないのでそういうことが起きてしまう。例えば、どうしようもないバス会社があるとします。車はボロいわ、運転は乱暴だわ、時間通り来ないわ、というような。でも、その地域に住んでいる人はそれしか選べないから取り替えられない。だから地方ではダメな会社が生き残りやすいんですよ。

冨山 和彦(とやま・かずひこ)氏
経営共創基盤(IGPI)CEO。東京大学法学部卒。ボストン コンサルティング グループ入社後、コーポレイトディレクション社設立に参画(後に社長)。産業再生機構設立時にCOOに就任。解散後、IGPI設立。オムロン社外取締役、ぴあ社外取締役、みちのりホールディングス取締役、経済同友会副代表幹事などを務める。

──地方都市のコンパクトシティ化は前から言われていますね。地方の中小企業も集約した方がいいということですが、なぜ、生産性の低い会社が生き残っていてはいけないのですか。

冨山 生産性の低い会社は賃金も安い。賃金が安いということは害悪ですよ。賃金が安くて、赤字で税金も払ってないわけでしょ。そんな会社は存在する必要ないですよ。

 今までは人手が余ってましたから、国や自治体がそういう会社でもなんとか延命させてあげて、雇用の受け皿をつくっていた。でもこの先数十年はずっと人手不足ですから、もう延命政策の意味はない。社会全体で労働生産性を上げることを考えないと賃金も上がっていかないし、医療とか介護、地域公共交通など、いろいろな社会システムが人手不足で崩壊することは明白です。

──「穏やかな退出」を促す方法の1つとして、「サービス産業の最低賃金を上げる」べきだと書かれています。給料が払えない会社はどんどんつぶれていきますね。救済する必要はないということですか。

冨山 全然ない。人件費倒産なんてどんどんすればいい。今は人手不足なんだから誰も困らないですよ。困るのは無能な経営者だけ。

 無能な経営者の会社には廃業してもらった方がいいんです。その分、優秀な会社の経営者が元気になりますから。経済社会において優秀な経営者というのはいちばんの希少資源なんです。その希少資源を有効に使おうと思ったら、会社の数を減らした方がいい。その方が結局は生き残った会社の生産性が高くなる。生産性が高くなれば賃金も上がります。

製造業ではとっくの昔にやっている

──いろいろな会社をご覧になってきて、優秀な経営者とそうでない人の違いはどこにあるとお考えですか。