市場調査会社の米ガートナーが7月7日に公表した最新のリポートによると、今年の世界パソコン出荷台数は前年比2.9%減の3億847万台になる見通しで、同9.5%減と大きく落ち込んだ昨年実績から部分的な回復を見せるという。
従来型パソコンの減少は今後も続く見通し
同社がその要因としているのが、法人市場における「ウィンドウズXP」からのアップグレードと、通常の買い替えサイクル。
この傾向は特に西欧で顕著で、同社は今年、成熟国市場で約6000万台の業務用パソコンが買い替えられると予測している。
ガートナーが定義するパソコンとは、従来型のデスクトップパソコンとノートパソコン、そして同社が“高価格帯のウルトラモバイル”と呼ぶ高性能薄型軽量パソコンも含まれる。
米インフォメーションウィークによると、この高価格帯ウルトラモバイルには、米インテルのx86プロセッサーを備えるウィンドウズタブレットや、アップルのマックブックエア(MacBook Air)などがあるという。
詳しく見ると、このうち従来型のデスクトップパソコンとノートパソコンを合わせた出荷台数は、今年6.7%減少し、来年も5.3%減少する見通しだ。これに対し、高価格帯ウルトラモバイルは今年49.9%増、来年は70.6%増と急成長するという。
昨年6.8%だったパソコンの出荷台数に占める高価格帯ウルトラモバイルの比率は、今年10.5%に、来年には17.4%に拡大する。つまりパソコン市場回復のカギを握るのは、これら高価格のウルトラモバイルだと同社は予測している。
タブレットは成長減速も、パソコンを上回る見通し
一方で、タブレット端末の出荷台数推計は前年比23.9%増の2億5630万台。この数は、パソコンの3億847万台よりも少ないが、タブレットは来年、同25.2%増の3億2100万台となり、パソコンを上回る見通しという。