北米報知 2014年5月15日21号

 山火事、積雪量の減少、海中の科学的性質の変化など、ノースウエストにおける気候変動を原因とする環境リスクが高まっている。5月6日付シアトル・タイムズ紙電子版が報じている。

 同日に公表された全米気候評価報告書によると、米国内に安全な地域はなく、気候変動による影響が数十年をかけて破壊的になるとし、警告を発している。気候変動は現在では目下の問題となっており、ノースウエストを含む米国全9地域で環境面で影響が出ているとした。

 1970年から平均気温は華氏1.3~1.9度ほど上がっており、今世紀の終わりにはさらに2~4度ほど上昇すると予測されている。2012年は過去最高の暑さを記録しており、専門家は環境変化として豪雨や渡り鳥の移住変化、長引くアレルギーシーズンなどを挙げている。地球の温暖化が明らかとなり、特に過去50年間は人間の活動によって引き起こされていることがわかった。

 気候変動による三大問題は、降水量の変化、森林への影響、沿岸への影響だ。沿岸への影響としては、海面上昇や二酸化炭素を原因とした海水汚染などが挙げられる。

 ノースウエストが誇る森林にも大きな変化が見られる。暖かく、乾燥した気候は虫のまん延と山火事の原因となり、森林状況が劇的に変化する恐れがある。

 同報告書は約4年ごとに発表され、米国科学アカデミーによる監修で250名以上の専門家が寄稿している。

 また7日発のAP通信によると、乾燥し気温が高まる6月から8月にかけて発生する山火事の危険性が、過去よりも高まっているという。

 2013年には州内で大小764の山火事が発生、299平方マイル近くが焼かれたが、州政府は昨年の被害を上回る可能性もあるとし準備を進めている。

(鈴木 唯)

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