週刊NY生活 2014年7月12日497号

 ニューヨーク市内の雇用者は、小規模企業や非営利団体(NPO)勤務であっても、年間40時間の有給病気休暇の利用が30日(水)から可能になる。これまで15人以上の企業に義務付けられていた制度が2月の市議会の可決で対象が広がった。

 4月1日から始まった新制度では、従業員数が5人以上の企業は従業員に対して年間40時間までの有給病気休暇を認めることが義務付けられる。非営利団体(NPO)や小規模企業も対象となり、支払い額は通常の時給(2014年の最低時給は8ドル)。

 病気による有給休暇の該当資格者は、暦年(1~12月)に80時間以上ニューヨーク市で働いた人で、パートタイムの従業員や不法労働者も含まれる。今年4月1日以降雇用された従業員は、入社日から120日後から同制度適用となり利用することができる。

有給病気休暇の適用、日本語情報を提供JASSI

 病気休暇が使える理由は、(1)診断、受診、治療が必要な病気(精神疾患含む)やけがを患っている、または予防治療が必要、(2)診断、受診、治療が必要な病気(精神疾患含む)やけがを患う家族の看病・介護の必要、または予防治療の付き添いが必要、(3)公衆衛生緊急事態で本人の職場、または子供の学校やデイケアなどが休みになったなど。

 家族の範疇は、孫や祖父母まで該当し、女性は出産後に出産が原因となる病気や障害の際にも使える。3日続けて休む場合は、ライセンスを持った医療従事者による書類の提出が必要。有給病気休暇を要求・利用したからといって、企業側が脅迫・降格・解雇したり、仕事量を減らしたりすることは禁止されている。

 ニューヨーク市消費者課は、新たな有給病気休暇制度を知ってもらおうと、ポスターやウェブサイトで広報している。16日(水)には市内の地下鉄駅でボランティアを動員して資料を配るなど大キャンペーンを行う予定。

 新制度に関する詳細は電話311、または市消費課のウェブサイトから。ウェブサイトで新制度についての説明が雇用主と従業員向けに9か国語でダウンロードできる。

 日米ソーシャルサービス(JASSI)はウェブサイトで日本語情報を提供している。

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