市場調査会社の米IDCがまとめた最新のリポートによると、今年のタブレット端末の年間出荷台数は、前年比12.1%増の2億4540万台にとどまる見通しだという。
これに先立つ3月初旬に同社が公表したタブレット端末の世界出荷台数予測は、前年比19.4%増の2億6090万台だった。
しかしこの1~3月期の需要が予測を大きく下回ったこと、今後年末にかけて、さらに厳しい状況に直面すると懸念されることから、同社は予測を下方修正した。前年比12.1%増という伸び率は、昨年実績の51.8%増に比べ大幅な減速となる。
成長減速には2つの要因が
同社はその理由として、2つの要因を挙げている。1つは買い替えサイクルの長期化。大手メーカーの高価格製品を所有している消費者は、当初予想されていたよりも長く端末を持ち続けている。
また、新製品を購入したとしても、これまで使っていた古い端末は、家族の誰かに“お下がり”として譲るという傾向も見られるという。
もう1つの要因は、タブレット市場にとってより深刻と言えそうだ。昨今は韓国サムスン電子をはじめとする大手メーカーが、画面サイズの大きいスマートフォンを販売している。そうした製品の売れ行きが好調で、タブレットの顧客が奪われているという。
こうしたサイズの大きいスマートフォンは“ファブレット”と呼ばれるが、IDCはそのうち、5.5インチ以上7インチ以下の製品をファブレットと定義している。
こうした端末の台頭により、従来はタブレットで行っていた作業がスマートフォンでもこなせるようになり、ファブレットさえあれば事足りると考える人が増えているという。