化学系2社の合併、「中国発供給過剰」の煽りが契機
もう1つの合併は、サムスン総合化学によるサムスン石油化学の合併だ。
あまり日本では話題にならないが、サムスングループには化学会社が5社ある。合併する2社以外に、サムスン総合化学と仏トタルとの合弁でエチレンセンターを運営するサムスントタル、液晶パネルなどで使う原料などを生産するサムスン精密化学、韓国最大の硝酸メーカーであるサムスンBP化学だ。
今回の合併の引き金となったのが、サムスン石油化学の経営不振だ。サムスン石油化学は、ポリエステル原料であるPTA(高純度テレフタル酸)の量産メーカーで韓国最大手だ。
つい4~5年前までは、中国で需要が爆発的に増え、中国向け輸出が絶好調だった。だが、ここ1~2年の間に状況が一変した。中国でPTAの大型工場が相次いで稼働し、「一気に供給過剰に陥った」(化学業界関係者)のだ。鉄鋼や他の一部石油化学関連製品など素材分野で起きている「中国発供給過剰」の直撃を受けたのだ。
経費削減などの経営努力を続けているが、「PTAの供給過剰問題は、今後もずっと改善する見通しはない」(同)という声が強い。リストラを進めるにしても一定の体力が必要で、今のところ好業績が続くサムスントタルの50%の株式を握るサムスン総合化学が合併することになった。
常勝サムスンでは赤字は許されない?
2つの合併劇に共通しているのは、一方の企業が赤字を計上したことである。サムスンSDIは2013年に274億ウォン、サムスン石油化学は577億ウォンの営業損失を記録した。常勝サムスンでは赤字は許されないことなのか。赤字になったとたんに電光石火の合併となった。
サムスングループ内外では、この2件の合併劇は「グループ内再編の始まりに過ぎない」という見方が圧倒的だ。