柔道整復師の辻本泰光氏と呉昌基氏をゲストに迎えた今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(12月8日放送/Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)。柔道整復師の活動内容や整体、カイロプラクティックとの違い、現行の健康保険制度における問題などについて語った。
国家資格保持者が「治療」を行う整骨院と整体は根本的に異なる
中山 今回は、大阪市の整骨院で柔道整復師をされている「光整骨鍼灸院」の辻本泰光さんと、「呉鍼灸整骨院」の呉昌基さんのお2人にお話を伺います。
まずはリスナーからの質問ですが、そもそも整骨院とは何をするところなのですか。
辻本 街中で「整骨院」や「鍼灸整骨院」あるいは「接骨院」などをよく見かけますが、これらは基本的に全て同じ業種です。看板だけでは何をする場所なのか分かりにくいですが、整骨院は主に骨折や捻挫、打撲などのケガや、関節や筋肉を痛めた場合に治療を行います。
例えば、ぎっくり腰や首の寝違えのほか、主婦の方が反復動作の多い家事で関節や筋肉を痛めるケースなどが挙げられます。また、近年はスポーツ人口が増加しており、運動によるケガや傷害の治療に加え、プロのアスリートのメンテナンスも実施しています。
さらに近頃は、高齢者の方も通われるようになりました。年齢を重ねると筋肉や関節の機能が低下し、日常の動作で痛めたり転倒しやすくなりますが、そうした状況でのケガや不具合を治療するのも整骨院です。
中山 仕事をするうえで資格は必要ですか。
呉 整骨院や接骨院は、柔道整復師という国家資格を有した専門家が施術を行うことができます。柔道整復師の国家試験に合格するには、専門学校などの養成施設や大学に通い、解剖学や生理学、病理学などの医学知識や実務技能を習得しなければなりません。
整骨院以外の活躍分野には、スポーツトレーナーや介護施設の機能訓練指導員などがあります。柔道整復師は、よく整体やカイロプラクティックと誤解されがちですが、別物です。
整体やカイロプラクティックは1つの治療法であり、協会が認可する資格はあるものの、国家資格ではありません。国が法律に基づき、個人の専門的な知識・能力を認める国家資格であるか否かの点で、柔道整復師とは大きく異なるのです。