「知り合い自給率100%」ならば騙されない

味の社会学(第3回)

2013.11.20(Wed)菅 慎太郎

 これを見ると、添え物として馴染み深い「パセリ」は夏場には3~4倍にも跳ね上がり、1年を通して価格の変動が大きいことが分かります。また、野菜サラダなどに用いられる「ミニトマト」だって、冬場はさすがに値段が上昇傾向にあります。

 野菜には「旬」があり、季節によって育ちやすい環境がある。夏野菜が冬に並んだりするのは、ハウスで温める燃料費がかかっていたり、「それなりのワケ」が存在します。

 けれどもこうした価格の変動幅は、「販売価格」においてはそれほど反映されることはありません。しかしそれは、生産者が泣き寝入りしたり、小売段階での内容量調整によって「見た目上の価格」が安定しているに過ぎないのです。

ホテルの謝罪相次ぐ「食品誤表示」問題

 相次ぐ謝罪や発表に、消費者はもはや怒りを通り越して諦めの境地になっているかもしれません。2013年10月22日に阪急阪神ホテルズのレストランで発覚した「誤表示」問題は、1企業にとどまることなく、全国各地のホテルやレストランが「誤表示」の発表・謝罪に追われました。

 安価な「バナメイエビ」を「芝エビ」と表示、既成品のジュースを「フレッシュジュース」とするなど、品目も範囲も広範に渡っています。その理由も「無知だった」「無自覚だった」と、「過失」を強調したコメントに終始しているのです。

 もちろん、「法の穴」もあったことは否めません。プロが作る外食産業には、材料や産地の表示を義務付けるJAS法は適用外です。法律を「知らなかった」のか、「理解していなかった」のか、各ホテルや料亭の会見でも真相は闇のままです。

 「ホテル」というブランドさえ信頼ができないのならば、消費者は一体どうやって「食を選択」していけばいいのでしょうか。

「質問」は信頼を高める鍵

 愛する人や子どもに「偽物」を提供したいと思うでしょうか。友人に振る舞う食に、「エリンギ」を「松茸」として出したりすることは決してないでしょう。

 人間関係とは、常に「正直」で「誠実」であることが求められます。「その人を知っている」ということは、「ズルをする」ことから遠ざけます。

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