「産地」や「農法」は「おいしさ」の証しか?
1990年代前後のグルメブームに端を発し、農産物、畜産物の「産地」や「品種」はおいしい食材の「証し」として浸透してきました。
お米ならば、「魚沼産コシヒカリ」がお米のトップランナーとしての地位を確立しています。肉なら「松阪牛」。大分で水揚げされる「関サバ関アジ」なども全国区の「ブランド」として浸透しています。
これらの「名称=おいしさ」という図式が、売り場にあふれる大量の食品の中から効率よくおいしい食材を選び出す「おいしさの証し」として機能してきたことは間違いありません。
しかしお米の世界でも、北海道産の「ゆめぴりか」や熊本県の「森のくまさん」など新しい対抗馬が出現しており、「魚沼産コシヒカリ」がいつまでもトップに君臨できるか危うい状況にもなりつつあります。
変わる「仕入れ価格」、変わらない「販売価格」
私たちが食べる「食品」の価格のあらゆるものが「時価」と表示されていたら、一体どんな印象を持つでしょうか?
下のグラフは、2011(平成23)年の東京都中央卸売市場の月別野菜の価格(円/キログラム)について、いくつかグラフ化したものです。
出典:農林水産省
注:東京都中央卸売市場計は、東京都において開設されている中央卸売市場(築地、大田、北足立、葛西、豊島、淀橋、世田谷、板橋及び多摩)の計である。