ものづくりの現場にはITが欠かせない。1927(昭和2)年に地元静岡の名産品・茶葉の乾燥機メーカーとして創業し、今や、食品だけでなく、化学・製薬・環境など、幅広い分野に向けて、製造や環境対策用の装置を設計開発、そして製造している大川原製作所も例外ではない。

 特に同社では、すべての装置は受注生産品。その分、情報の管理に手間がかかるという課題があった。

 そのため、早くから設計にCAD、製造にBOM(部品表)のアプリを用い、それらをPDM(製品データ管理)アプリに連携させてきた。以前のシステムは、メインフレーム上で稼働していたが、2010年にオープンシステム(Windowsベース)へ更新している。

 その大川原製作所で、「TOUGHPAD(タフパッド) FZ-G1」(以下、TOUGHPAD)の活用の可能性を伺った。

TOUGHPADは、今年3月にパナソニックから発売された、企業向けのタブレットだ。Windows 8.1 Pro を搭載し、CPUはインテルの Core i5-4310U vPro で、ハードディスクの代わりに搭載されたSSDの容量は128GB、メモリーは4GBと最新のパソコンに引けを取らないだけでなく、耐衝撃、防塵・防滴設計されているのが特徴だ。

 「工場で今、パソコンや紙で見ているものをすべて、こういったタブレットの画面上で参照できれば、と考えています」

株式会社大川原製作所
総務・人事部 システム課 
専門部長 水井 秀次 氏

 そう話すのは、大川原製作所の総務・人事部システム課の専門部長、水井秀次さんだ。

 工場にはすでに、システムに接続されたデスクトップパソコンが配備されていて、作業の合間に図面を参照したり、作業日報を入力したりできるようになっている。

 また、図面については、A2判からA4判までの紙のものが、1つの製品(製番または工番)ごとに1つの木製バインダーに100枚近く綴じられて、図面台の上に置かれている。

 「作業の手を止めてパソコンの前に行ってでは時間をロスします。また、工場内では溶接作業での火花の発生や表面処理作業で酸性溶剤を使うこともあって、現場で取り扱う紙ベースの資料は、できるだけ減らしたいのです」
 

作業中に参照する紙の図面

 

 

 

 

 

「TOUGHPAD」搭載のカメラで製造工程を撮影し
無線LAN経由でスムーズに顧客と共有が可能

 同社の生産部生産管理調達課の石上正剛さんも「タブレットがあれば、熟練の職人から若手の社員へ技術を継承する手助けになると思います。かつての技術継承は、『見て覚えよ』というスタイルだったが、最近は、手順書をデジタル化するようにしています。タブレットでなら、それをその場ですぐに参照できます」と話す。

 ただし、どんなタブレットでもいいかというと、そうではない。

 工場では、ステンレスなどの金属を切断したりピカピカに研磨したりという工程が欠かせず、粉塵が多く発生するからだ。電動製の空気フィルターの着いた防塵服が義務づけられている作業もある。そのため、パソコンは粉塵を避けるように設置されている。

 「だから、タブレットは防塵のものでないとまったく使えません。その点、TOUGHPADはいいですね」と石上さん。

生産部 生産管理調達課
石上 正剛 氏

 10.1型のIPS液晶を搭載しながらもコンパクトなサイズについても「これくらいの大きさなら、どこにでも置けて、作業の邪魔になりませんね」と期待を寄せる。

 リア側に搭載された300万画素のカメラにも注目。

 「お客様によっては、製造工程の写真を希望される方もいます。このカメラを使えば、すぐに無線LAN経由で送信できるので、便利ですね」と話す。

 「技術センターに詰める設計陣とのやりとりも、Skypeなどを使えば、わざわざ工場に来てもらう機会を減らせて、これまで以上にスムーズに行えます。東京や大阪、上海の事務所との会議にも活用できそうです」

基幹システムがWindowsベースなので
タブレットのOSもWindowsがいい

 石上さんは、いくつかのタブレットや電子書籍リーダーを試用したことがあり、評価の目は鋭く、「堅牢ということですが、どんな試験をしているのですか」と取材陣に逆質問。合板の床に対して、高さ1.2メートルから落下させての試験(非動作時)を行っているという答えと、そもそもの落下を防止するためのストラップ(オプション品)にも興味津々の様子だ。

バッテリーの交換も簡単
落下防止ストラップ (オプション)

 また、TOUGHPADは、約9時間の連続駆動ができる上、バッテリーがユーザーの手で簡単に交換可能。バッテリーは、本体から外しても、バッテリーチャージャー(オプション品)を使って充電ができるので、残り時間を気にすることなく、本来の業務に集中できる点にも、石上さんは頷いた。

 「OSがWindowsというのが助かります」と、システムの構築・管理側の立場から評価するのは水井さん。基幹システムのサーバーのOSがWindows Server、クライアントのOSがWindowsのため、やはりWindows系が望ましいのだという。

 水井さんによると、現在のシステムには、急なスケジュールの変更などに対応しづらいなど、柔軟性に欠けるところもあるという。

 「ですから、そういったところの改良と、TOUGHPADの導入により円滑で迅速な業務連携ができたら、理想のシステムが完成しますね」

 業界を確かな技術力で牽引する大川原製作所の力強いものづくりの現場と、高いスペックとタフさを兼ね備えたTOUGHPADの相性は良好だ。

 

 

 

 

TOUGHPAD(タフパッド)シリーズ

TOUGHPAD FZ-G1

■OS:Windows 8.1 Pro Update 64ビット(日本語版)
(Windows 7 Professional ダウングレード権含む)
■CPU:インテル® Core™ i5-4310U vPro™ プロセッサー
(インテル® スマートキャッシュ 3 MB、動作周波数 2.00GHz、
インテル® ターボ・ブースト・テクノロジー2.0利用時は最大3.00GHz)
■液晶:10.1型IPS液晶 WUXGA(1920x1200ドット)
(AR処理 静電容量式マルチタッチパネル+デジタイザー機能付き)
■ストレージ:SSD 128GB
■メモリー:4GB
■質量:約1.1kg (デジタイザーペン除く)
■駆動時間:(JEITA2.0)約9時間、(JEITA1.0)約13時間

【選べるシリーズ】
・Xi(LTE)対応ワイヤレスWAN内蔵モデル
・Windows 7 Professional 32ビットプレインストール済みモデル
 

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