米アマゾン・ドットコムは7月29日、同社の米国配送センターで新たに約5000人のフルタイム従業員を雇用すると発表した。対象となるのは、テネシー州やカリフォルニア州、テキサス州など10州の合計17の配送センター。
同社は昨年1年間に米国で8カ所の配送センターを建設しているが、今後もさらに増やしていく予定だ。自社の物流ネットワークを増強し、顧客サービスを向上するのが狙いという。
オバマ大統領が配送センターを訪問
米ニューヨーク・タイムズによると、バラク・オバマ米大統領が現地時間の30日にアマゾンの配送センターを訪れ、中間層の雇用について演説することになっている。今回のアマゾンの雇用拡大の発表は、ちょうどこのタイミングに合わせて行われたという。
アマゾンはオバマ大統領の雇用政策に協力していることをアピールしたいようで、同社の従業員は他社にはない優遇が受けられると強調している。
例えば、配送センターのフルタイム従業員に支給する給与額の中央値は、従来の一般的な小売店の給与に比べ30%高いとしている。このほか、会社の株式を従業員に与えるストックアワードや、包括的な福利厚生制度、賞与、研修費用の最大95%をアマゾンが負担する支援プログラムがあるという。
これに加え同社は、ノースダコタ州やウエストバージニア州など米国の4カ所のカスタマーセンターで合計2000人の募集を始めた。オレゴン州やワシントン州などでカスタマーサービスの在宅勤務者も募集している。
狙いはリピート顧客、「アマゾン・プライム」に注力
アマゾンがこうして顧客サービスを拡充するのは、リピート顧客を増やしたいと考えているからだ。とりわけ同社が注力しているのが商品配送優遇プログラムの「アマゾン・プライム」。
これは年間79ドルを払って会員になると、注文日から2日後に商品が届く急ぎ便サービスが追加料金なしで使い放題になったり、即日配送サービスが割引になったり、アマゾンの映像配信サービスが無料になったりするというもの。