先週木曜日、米マイクロソフト(MS)と米グーグルがそれぞれ4~6月期の決算を発表した。だがいずれもモバイル分野の業績が振るわないことが分かり、両社の株価は下落した。これが米ヒューレット・パッカード(HP)など、まだ決算を発表していないほかの企業にも広がっている。
そのうち下げ幅が大きかったのがマイクロソフトだ。翌金曜日の同社の株価は前日比11.4%下落し、過去4年で最大の下げ幅となった。
MS、サーフェスRTの値下げで特別損失
マイクロソフトの4~6月期の売上高は前年同期から10%増の198億9600万ドル。純損益は49億6500万ドルの黒字で、特殊要因があった前年同期から黒字転換した。
しかしパソコン向け基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」事業の営業利益が同55%落ち込んだことなどが警戒された。
世界的なパソコン販売の低迷を背景に、パソコン市場はかつてのような輝きを取り戻せないのではないかと懸念が広がっている。
そうした懸念を払拭しようとマイクロソフトは自社開発のタブレット端末「サーフェス(Surface)RT」を発売した。だが今回の決算で、同社はサーフェスRTの値下げに伴う在庫調整の費用として9億ドルの特別損失を計上した。
マイクロソフトは米国でサーフェスRTを30%値下げした。日本でも6月中旬から行っていた1万円の値下げキャンペーンを今後も継続すると発表。今は廉価モデルの価格を3万9800円にして販売している。
米ウォールストリート・ジャーナルは、今回の値下げに伴う特別損失こそ、同社が自社初のモバイルコンピューティング端末の需要を見誤った証拠だと報じている。今回の決算はマイクロソフトがモバイル分野でいかに難しい状況に直面しているかを示していると同紙は指摘している。