年々、規模が拡大しているコンサルティング市場。戦略立案を手がける伝統的な外資系コンサルファームに加え、総合系・会計系、国内系、さらにはベンダー系まで、コンサル業界は百花繚乱(ひゃっかりょうらん)の様相だ。一方で、コンサルの質や使う側の姿勢が問われ始めている。本連載では、ボストン コンサルティング グループ(BCG)の元代表・堀紘一氏と元同社のコンサルタント・津田久資氏が、コンサルティングのあるべき姿を考察した『本物のコンサルを選ぶ技術』(堀紘一、津田久資著/クロスメディア・パブリッシング)から、内容の一部を抜粋・再編集。失敗しないコンサルの選び方と付き合い方を解説する。
第3回は、成果を出すために有効なコンサルタントとの付き合い方を紹介する。
賢いつき合い方① 戦略決定に参加する
コンサルタントを雇ったから、あとは彼らに任せていればいいという姿勢では、よい結果は生まれない。「一緒に考える」ことが大切なのだ。
戦略策定に関わるとか、業務改善のために、自分たちはこう考えているとか、活発に意見を出して、一緒に議論する。
戦略決定に関わるには、企業側も「結論仮説(問題や原因、解決法がこれではないかという仮説)」を持っていることに越したことはない。
結論仮説があることで、議論はより具体的で生産的なものになるはずだ。
コンサルタントに何とかしてもらおうという受け身の姿勢ではなく、自ら問題設定、問題解決を行う積極的な姿勢を求めたい。
議論に参加し、結論に至るまでの「考え方」を知っていれば、違った問題や課題が生じても対応することが可能だ。考え方を知らず、ただ「答え」を知っただけでは、応用は利かない。
結論に至った過程を知っているのと、知らないとではその後の取り組み方に大きな差が生まれるだろう。