賢いつき合い方② 経営者がリーダーシップを発揮する
企業が大きく変わるためには、経営者がリーダーシップを発揮する必要がある。最近はボトムアップも重視されるが、わが身を切る覚悟がなければ改革などはできない。それには、強いリーダーシップが不可欠だ。
JAL(日本航空)の再生では、稲盛和夫さんという伝説的な人物がトップに立ったが、それくらいのレジェンドでなければ、あのような会社を再生することはできなかった。
私自身、コンサルティングをする中で、癖が強くリーダーシップの強いトップほど、成果も大きかったという実感がある。
ホンダの川本さんにしてもヒロセ電機の酒井社長にしても、ときにケンカ腰になるほどやりあった。逆に言うと、それくらい真剣に向き合えるトップは、自分の考えを持っていたし、リーダーシップも強かったと思う。
最初こそ対立しても、こちらの意図を理解し、いざ実践するとなったときの判断と実行のスピードは早い。
経営者のリーダーシップ如何で、コンサルの成果は決まるのである。
賢いつき合い方③ 無難なC案を選ばない
せっかくコンサルタントを雇っても、彼らが提案したものを実行しなければ意味がない。私は最終プレゼンの前に、A案、B案、C案の3つを用意する。A案は企業変革のために最も有効な案だが、その分改革が必要で、痛みも伴う内容だ。
それに対してC案は、企業側の痛みは少なく受け入れやすい案だ。しかし、その分効果は少ない。B案は、A案とC案の中間だ。
残念なことに、私の経験では8割以上の企業が、最も無難で効果の薄いC案を選択する。安くはないコンサルタント料を払ってC案を採用するならば、そもそもコンサルタントを雇う必要もないのではないかと思ってしまう。そんな案なら、おそらく社内でも考えつくはずなのだ。
数は少ないけれど、A案を採用してくれる企業もあった。それがホンダとかソニー、ヒロセ電機、カプコン、第一生命などだが、いずれもその後躍進している。
残念ながら多くの企業は、組織の論理の中で、結局は無難な案を採択し、思うような結果を出せていないのが現状だ。
コンサルタントを雇うのであれば、それなりの覚悟が必要だろう。