2013年2月、Web広告研究会は「デジタル・マーケティングでビジネスを成功させるのは宣伝部長です」という宣言を発表して、日本の保守的な、現状満足型の、もっとはっきりと書くと後ろ向きなマーケティング分野の領域に小さな石を投じた。少しでも、波紋が起きているといいのであるが・・・。
We can change the future. We can make the future.
デジタルマーケティングという言葉については、横山隆治さんが「デジタルマーケティング思考」という寄稿の中でも説明してくださっているように、“ネットだけを最適化”するのではなく、マーケティング全体を最適化する活動である。
すなわち、今行うべきことは宣伝部長の強いリーダーシップの下にデジタル技術を習得し、そこから得られた知識・手法をマーケティング全般に展開して日本のマーケティングに革新をもたらし、日本企業を世界で戦える企業にすることである。
ここではっきりと言いたいのは、これは外的要因に対処する対応型の戦略ではなく、自ら将来を見据えて舵を切る取り組みでなくてはならないということだ。将来は誰にも分からないが、将来はみんなで作れるものだからである。
つまり100%の予測は不能であるが、あり得る将来を予測して、そこに早く進むことで競争優位性を作り出すことが可能なのだ。逆に誰かがやるまで待ってから進むのであれば、常に後れを取り先頭集団には入れない。
将来は自分たちで作れるのであるから、デジタルマーケティングを活用した将来をいち早く考え、実行してみたいものだ。
2020年、書店もスーパーも東京23区から消えた
2020年、私は50を過ぎた今も会社に通勤している。東京は便利な街だ。それに人口減少のせいで朝の通勤は私が入社した40年前とは大きく異なり、通勤電車はすいている。もとより、こうやって朝出勤する会社は昔ながらの会社である。
日本政府は少子化対策に躍起になって2010年代に保育所の拡大を行ったが、最近では在宅勤務を奨励しており、多くの企業はインターネットを活用した勤務を導入している。自宅から会社のファイルサーバーにアクセスして書類は提出できるし、携帯電話やコンピューターを使ったテレビ会議も今では普通のことになった。この在宅勤務はシニアの勤務も容易にしたので、その雇用率も高くなっている。
通勤が楽になったとはいっても通勤時間が減ったわけではない。長距離の移動は、リニアモーターカーの登場や小型飛行機の登場で格段に便利になったが、通勤のような短距離の移動は速度を速められるわけでもなく、40年前と時間に変わりはない。