これからまたしばらく「デジタルマーケティング思考」と題した寄稿をさせていただくことになった。
まず最初に、「デジタルマーケティング」とは何かを定義したい。ネットマーケティングとデジタルマーケティングは何が違うのだろうか。
筆者の定義は、デジタルマーケティングとは、「デジタル施策によって得られるデータを活用して、マス/リアルを含むすべてのマーケティング施策を最適化する試み」である。
つまり、ネットだけを最適化するのは「デジタルマーケティング」ではないと考える。あえて「ネットマーケティング」とは違うと定義してみるところから始めたい。
この寄稿では、「デジタルマーケティング」を実現するテクノロジーもさることながら、最も重要な「デジタルマーケティング思考」を提示してみようと思う。
そのためにもまずは基礎となるマーケティング環境を整理してみたい。
マーケティングコミュニケーションに起きている5つの潮流
今のマーケティングコミュニケーションに起きている大きなトレンドは下記の5つの視点に整理できる。
●「売る理由」から「買う理由」へ
●「広告クリエイティブ」から「ブランデッドコンテンツ」「情報クリエイティブ」へ
●広告は「どこに掲載するか」から「誰に配信するか」へ
●広告効果は「ブラックボックス」から「マーケティングROI測定モデル」へ
●意見を聞くマーケティングから行動データを捕捉するマーケティングへ