橋下(徹)日本維新の会共同代表・大阪市長によるオスプレイ訓練の八尾空港移転案の渦中にある八尾市の田中(誠太)市長をゲストに迎えた今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)。問題となっている橋下氏の発言への反論や波紋について語った。
感情論で反対するのではないオスプレイ訓練の八尾空港移転
中山 今回は大阪府八尾市の田中(誠太)市長をお招きし、お話を伺います。
橋下(徹)大阪市長と松井(一郎)大阪府知事が、米軍普天間飛行場に配備されている新型輸送機MV22オスプレイの訓練の一部を大阪府八尾市の八尾空港に移転するよう政府に提案し、波紋を広げています。
田中さんは7日、松井府知事と八尾市役所で会談されたそうですが、まずは今回の件について事前に相談があったのかどうか、そのあたりからお聞かせいただけますか。
田中 いや、何の相談も連絡もありませんでした。私自身、職員から渡された朝刊の記事を読んで移転構想を知り、想像もしていなかった話に驚いたというのが実際のところです。
ただ、私は何も事前に相談がなかったからという理由で受け入れ反対を表明したわけではありません。安全保障や沖縄県の過重な負担を軽減することは国民全体の問題ですし、私も含めた地方自治体の首長が真摯に考えるべきなのは当然のことです。
しかし、普天間飛行場の面積が約480ヘクタールであるのに対し、八尾空港は自衛隊駐屯地も含めて約88ヘクタールと、敷地面積は5分の1以下という差があります。
また、約16トンあるオスプレイの重量が同空港の重量制限である5.7トンを超えるなど、施設面でも十分とは言えない。さらに、八尾空港周辺は11の小中学校が立ち並んでいて、人口密集度は普天間と同じかそれを上回るくらいかもしれません。
それらをトータルで考えると、八尾空港をオスプレイの訓練に利用できるとは、普通は思わないでしょう。ですから、松井府知事との会談で私は「とてもではないが物理的に考えて難しい」という指摘をしたのです。
松井さんは日本維新の会の幹事長と大阪府知事の2つの立場を時として使い分けられるので、「府知事としてどうなんですか」と念押ししましたが、「府知事の立場として八尾空港で十分に対応できると思う」という主張で、議論は平行線に終わりました。