6月2日放送の『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)では、日中の対アフリカ政策やネット上の情報モラルについて解説したほか、国と地方の権能の分担などについて語った。

アフリカが求めているのは中国より日本の支援?

中山 アフリカの開発をテーマとする政府主催の国際会議「第5回アフリカ開発会議(Tokyo International Conference on African Development:通称TICAD-5)」が6月1~3日に横浜市で開催され、アフリカ51カ国の首脳・閣僚らが参加しました。

横浜で「アフリカン・フェア」開幕、国際会議に合わせ

アフリカ開発会議の公式イベント「アフリカン・フェア」で展示された自転車一体型災害用浄水装置。自転車を1分こぐごとに最大5リットルの水を浄化することが可能という〔AFPBB News

 アフリカには石油や天然ガス、レアメタルなどの鉱物資源が豊富に眠っており、欧米や中国をはじめとする世界の国々が資源争奪を繰り広げています。

 スーダン共和国を例に挙げると、2011年に南スーダン共和国が独立する以前は南北間で20年以上にわたり紛争が続いていましたが、これは主に北側を支援する中国と南側を支援する米国による代理戦争のような様相を呈していました。

 では、アフリカは各国による政府開発援助(ODA)や企業進出などのアプローチをどう捉えているのでしょうか。

 例えば中国は露骨なまでに資源獲得に走ったり、ODAと称して大量の労働者を送り込み、現地労働者との摩擦も起きているようです。 また、過去には胡錦濤・前国家主席がスーダン大統領宮殿の建設費を融資したほか、エチオピアの首都アディスアベバにあるアフリカ連合(AU)本部ビルの建設費約2億ドルを中国政府が拠出するなど、ほとんど買収に近いかたちの支援を続けてきています。

 対して日本の場合は井戸の建設ひとつとっても、完成された井戸を提供するのではなく、採掘技術を一緒に学んでもらい、支援の手が離れた後も現地の人々が自分たちで維持できるようにします。要するに我が国は「アフリカが自立するための支援」に力を注いでいるのです。

 また、国際協力機構(JICA)に登録し、ボランティアでアフリカの支援活動に当たっている日本人もたくさんいます。その意味で、アフリカは「社会貢献したい」という人たちのモチベーションを生かせる格好の舞台でもあるわけです。

 日本人にとってアフリカは遠い国のように思えますが、私たちの身近にはアフリカ産の物が数多くあります。例えば、たこ焼きなどに使われるたこの多くは、アフリカのモロッコやモーリタニアから輸入していますし、携帯電話のリチウムイオン電池などに使われるレアメタルもアフリカからの輸入に頼っています。