空前の「こうじ」ブームの裏で
メーカーはなぜ悲鳴を上げるのか

2013.03.01(Fri)白田 茜

 空前の「こうじ(麹・糀)」ブームが続いている。2011年に「塩こうじ」の人気に火がつき、今年に入ってからも相次いで新しいこうじ関連の商品が出ている。

 しかし、こうじの原料が不足しているのをご存じだろうか。

 こうじブームの裏には、原料となる加工用米の不足と価格高騰に悲鳴を上げるメーカーの姿がある。背景にはコメ政策を巡る錯綜も見られる。日本のコメ政策を振り返りつつ、課題を分析してみたい。

メーカーが関連商品を次々に開発

 2011年、塩こうじは魚や肉、野菜にも使える万能調味料として消費者におおいに受けた。その人気は、スーパーやネット通販でも欠品が相次ぐほどだった。

塩こうじ。伝統的な日本の調味料だったが、2011年以降ブームで重要が増加している

 「塩こうじ関連本」も相次いで出版された。『糀屋本店の塩麹レシピ』(浅利妙峰著)、『毎日がたのしくなる塩麹のおかず』(おのみさ著)、『塩麹と甘酒のおいしいレシピ』(タカコ・ナカムラ著)といった具合だ。

 ブームは峠を越したかのように見えるが、塩こうじに次いで2012年には「醤油こうじ」が登場。2013年に入ってからも調味料の新商品が相次いでいる。当分、こうじのブームは止みそうにもない。

 メーカーも「事業の柱」としてこうじ市場を開拓すると意気込んでいる。味噌メーカー大手のマルコメは、社内で「プラス糀研究室」を発足させ、こうじ関連の商品開発やマーケティングを行っている。「糀ジャム」「生塩糀」「糀の酢」「生しょうゆ糀」と、相次いでこうじ関連商品を開発・販売している。

 清酒「八海山」で有名な八海醸造も、2012年3月に東京・麻布十番にアンテナ店「千年こうじや」を開店した。「発酵」にこだわり、魚沼の伝統食材を紹介するという。「米・こうじ・発酵」をテーマにした約280品目をそろえ、カフェも併設。同年10月には神楽坂店をオープンした。今後も首都圏を中心に出店する計画だという。

塩こうじ関連商品を取り扱う主なメーカーと商品名
(インターネット情報などから筆者作成)

原料になる加工用米の価格が高騰

 味噌や日本酒、みりんのメーカーが塩こうじを相次いで商品化しているのは、原料が味噌や日本酒と重なるためだ。塩こうじは、米こうじ、塩、水を混ぜ合わせ発酵させたもので、見た目は甘酒のようだ。

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