プラスチック製品価格談合で10社に総額134億円の課徴金 - 韓国

財閥会長に対する実刑判決で、SKのみならず、韓国全体に衝撃が走った〔AFPBB News

 2013年1月31日、ソウル中央地方裁判所は、韓国第3位の財閥であるSKグループの崔泰源(チェ・テオン)会長(52)に対して横領などで懲役4年の実刑判決を下すとともに拘置所に直送する「法廷拘束」命令を出した。

 財閥総帥の犯罪に対してはこれまで「懲役3年執行猶予5年」という判決が慣例とも言えた。さらに判決後に大統領が「国家発展に寄与した」などとして「特別赦免」にして刑を取り消すということが繰り返されてきた。

 こうした「財閥に甘い措置」に対する批判の高まりから最近になって重い量刑の判決が目立っており、SK会長への判決も「以前ならあり得なかった」との見方が経済界では一般的だ。

経済界が驚いた厳しい判決

 さらに朴槿恵(パク・クネ)次期大統領はかねて、経済犯罪に対して「特赦は実施しない」ことを繰り返し約束している。重い量刑のうえに特赦もなくなる。財閥に厳しい「経済民主化」を求める声の高まりを反映して、財閥総帥にとっては逆風が吹き荒れている。そんな真っ只中に出たSK会長への判決だった。

 崔泰源会長は2008年に、SKテレコムなどSKグループ企業の500億ウォン(1円=12ウォン)近い資金を流用したとして横領などの罪で起訴された。

 韓国メディアによると、崔泰源会長とSKグループの副会長である実弟は2005年ころから知人の投資会社を通して先物投資になどに3000億ウォン近くをつぎ込んだ。ところが、リーマン・ショックの影響などもあって巨額の損失が出てしまい、これを穴埋めするためにグループ企業の資金を流用したという。

 韓国の経済界では、崔泰源会長が財テクで資金を作り、有力グループ系列企業の株式を購入してグループに対する支配力を強化しようとしたとも言われている。

 その後、崔泰源会長はこの資金を全額返済し、結果的にグループに対する損害はなかったとされている。しかし、ソウル地裁は、横領と判断し、実刑判決を下した。さらに法廷拘束にもし、崔泰源会長は即刻拘置所に送られた。

 2012年夏には、財閥大手のハンファグループのオーナー会長である金昇淵(キム・スンヨン)会長(61)に対しても実権判決+法廷拘束命令があった。つい数年前まで財閥総帥に実刑判決が出ることは極めてまれだった。