米IDCが先週公表した市場調査によると、昨年10~12月期に世界で出荷されたタブレット端末の台数は5250万台で、四半期ベースの最高記録を更新した。これは1年前の約2990万台から75.3%増、昨年7~9月期の約3010万台から74.3%増という数値だ。
これに先だって同社が公表した昨年10~12月期のパソコン出荷台数は8980万台だった。これまでタブレットの台数はパソコンの3割程度で推移していたが、ここに来て一気に6割近くにまで増えたというわけだ。
しかもIDCによれば、パソコン出荷台数は前年比で6.4%減という状況。この傾向が続けばタブレットの台数がパソコンを上回る日はそう遠くはないと見られている。
IDCによると、タブレットの出荷台数が増大した理由は3つある。
多様な端末が市場投入されたこと、それに伴って平均販売価格が低下したこと、そして年末商戦で消費が伸びたことだ。パソコン販売が不振なのは景気低迷のせいとも言われるが、タブレットはそうした影響を受けず、着々と利用者を増やしているようだ。
アップルが首位を維持、市場規模の拡大でシェアは低下
10~12月期のメーカー別出荷台数を見ると、最も多かったのは米アップルで、同社は1年前から48.1%増の2290万台を出荷した。11月に発売した7.9インチモデルの「アイパッド・ミニ」と、第4世代のフルサイズ「アイパッド」が好調に売れた。
ただし、ますます激化する市場競争を背景に同社のシェアは43.6%に低下した。アップルのシェアは1年前は51.7%、7~9月期は46.4%だった。
アップルに次いで出荷台数が多かったのは韓国サムスン電子。同社は四半期中に790万台を出荷しており、シェアは15.1%。
まだアップルの3分の1強という規模だが、サムスンは米グーグルのモバイル基本ソフト(OS)「アンドロイド」搭載端末や米マイクロソフトの新OS「ウィンドウズ8」搭載端末など多くの新製品を投入しており、出荷台数は1年前から3.6倍に増えた。