マット安川 ゲストに政治評論家の浅川博忠さんを迎え、下半期の政局の流れや解散選挙について詳しくお聞きしました。時節柄話題となる靖国参拝について、議員なら全員参拝すべきと現状を嘆いておられました。
本人が多忙+息子への気兼ねあり。石原新党起ち上げは望み薄
政治評論家としてテレビ・ラジオ、週刊誌などで政治解説、コメンテーターを務める。『小沢一郎 独走す』(東洋経済新報社)、『政権交代狂騒曲』(講談社文庫)など、著書多数。(撮影:前田せいめい、以下同)
浅川 8月8日、民主・自民両党は「近いうちに国民に信を問う」ことで合意しました。この「近いうちに」は「この秋までに」ということです。
自民党としては9月8日の解散を期待していますが、流れから言えば10月の臨時国会冒頭に解散、11月4日か18日に投票となる可能性が高い。野田(佳彦)総理は1日でも長く与党でいたいのが本音でしょうが、今の民主党にはそれだけの力がないので、そのあたりで妥協せざるをえません。
問題は各党の獲得議席ですが、自民党はおそらく200議席近くいくと思います。民主党は大幅に負けて100議席弱、大阪維新の会は60~70議席くらい。あとはみんなの党がけっこう伸びて42~43議席、公明党が30議席ほど・・・と見ています。
全部で18ある大臣ポストの分け方は、自民が11か12、民主が4つぐらい、公明が1というところでしょうか。
石原(慎太郎、東京都知事)さんが新党をつくるという話がありますが、実現する可能性は低いと思います。第一に石原さん自身がオリンピックや尖閣がらみの仕事で忙しくて、選挙に間に合うような状況じゃありません。
加えて息子の伸晃さんが9月の自民党総裁選に出馬する可能性がある。息子の邪魔はしたくないはずです。今の段階でまだできていないということからして、まず実現しないと思われます。
選挙後は、一体改革のやり残し部分を自民、民主、公明の3党連立で仕上げるという構図になると思います。そこでみんなの党と大阪維新の会が連立与党にどう対抗するかが、ひとつの焦点になるでしょう。