米国の市場調査会社、ストラテジー・アナリティックスがまとめた最新の調査によると、今年の米国スマートフォン市場における、米マイクロソフトのモバイル基本ソフト(OS)「ウィンドウズフォン(Windows Phone)」が占める割合は、わずか4%にとどまる見通しだ。

昨年からわずか1ポイント増

ウィンドウズ8を10月26日に発売、米マイクロソフト

今年のコンシューマーエレクトロニクスショーでのマイクロソフトのブース〔AFPBB News

 マイクロソフトは先頃、次期モバイルOS「ウィンドウズフォン8」を発表しており、この新OSを搭載する端末が今秋にも登場する見込み。

 しかしそれでも専門家はウィンドウズフォンが当面、米グーグルの「アンドロイド(Android)」搭載端末や、米アップルの「アイフォーン(iPhone)」を脅かす存在にはならないと見ている。

 ストラテジー・アナリティックスによると、昨年の米国市場におけるスマートフォンの販売台数は1億200万台だった。これが今年は21%増の1億2300万台になる見込み。

 このうち昨年のウィンドウズフォンの台数は350万台で、今年は500万台になると同社は予測している。これをシェアで見ると、昨年の3%からわずか1ポイント増にとどまることになる。

 ただ、ストラテジー・アナリティックスの言葉を借りると、それでもウィンドウズフォンは「堅調に推移している」。現在OSにウィンドウズフォンを採用しているスマートフォンメーカーにはフィンランドのノキア、台湾HTC、韓国サムスン電子があるが、これら3社が今後、ウィンドウズフォン搭載端末の成長を牽引していくという。

 もっとも、アンドロイドやアイフォーンの市場支配力は並大抵のものではなく、ウィンドウズフォンが台頭するには、機能強化される次期OSに加え、アプリ配信サービスの拡充、製品ラインアップの拡充が不可欠とストラテジー・アナリティックスは指摘している。

成長鈍化続けば戦略の見直し必要に

 スマートフォン市場では、アンドロイドとアイフォーンの隆盛で、カナダRIM(リサーチ・イン・モーション)の「ブラックベリー(BlackBerry)」やノキアの「シンビアン(Symbian)」 のシェアが激減しており、過去1年だけを見ても勢力図は大きく変化している。

 こうした状況を打開しようとノキアは、主力端末のOSをシンビアンからウィンドウズフォンに切り替え、社運を懸けて米国市場で巻き返しを図っている。