今夜は意表をついてイギリスのスパークリングワインを

男と女のワイン学(レッスン13)

2012.06.12(Tue)平野 美穂

 イギリス国内で売られているワインの種類は世界一と言われ、世界中のワインが手に入ります。EU圏内の消費を見ても、量でこそフランスやイタリアの1人当たり年間40~50リットル以上には遠く及ばず20リットル強ですが、金額ベースでは1位とも言われます(ちなみに日本人のワイン消費量は年間2リットル)。

 1154年から百年戦争が終わる1453年までのほぼ300年もの間、ワインの産地として有名なフランスのボルドーはイギリス領でした。その時代にワインの味を知ったイギリス人が、後に征服したオーストラリア、ニュージーランド、南アフリカへワインを広め、現在も旧宗主国として大量のワインを輸入しています。

 地産地消が基本で閉鎖的だったヨーロッパでのワインづくりを輸出型産業に変え、ワインを世界中に拡販させ、現代のワイン地図を作り上げた功労者は、スペイン、ポルトガルよりもむしろイギリスと言えるでしょう。

ロンドンはワインマーケットの中心地

 また、ワインの教育や普及においてもイギリスは世界をリードしています。自国でほとんどワインを生産しないために客観的に評価できるのか、はたまた感性重視のフランス人と違って、体系的に物事を捉えられるのか。ロンドンには「WSET」(ダブリュセット、Wine & Spirit Education Trust)という世界最大のワイン教育機関の本部があります。

 ワイン学やホスピタリティを重視する日本ソムリエ協会と違う点は、ワイン業者の組合が母体となっていることです。ワイン業者ならではの、流通、マーケティング、販売の教育にも力を入れていて、ワインを趣味や資格の1つではなくビジネスと捉えていることをよく表しています。

 「沈船から引き揚げられた150年前のワインが落札」とか「ロマネコンティが史上最高値をつける」というニュースを耳にします。こうした高級ワインはオークションによって取引されることが多いのですが、世界の2大オークションハウス、サザビーズとクリスティーズはロンドン発祥です。今も、高級ワインの価格を決定付ける重要な役割を担っているのはイギリス市場と言えます。

 日本とイギリスは共に島国であり、何かと共通点が多いと言われます。まさかのイギリスのスパークリングワインを、皆さんもとっておきの機会に飲んでみてはいかがでしょうか。

 女性はあなたのサプライズに戸惑いつつも、その意外性と確かな品質に女王様気分で嬉々としてしまうでしょう。気品あふれるレディをエスコートして楽しむのは、風格あるナイトだけに許された特権ですよね。

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