プーチン大統領第3期政権/メドベージェフ首相組閣遅延の理由

露大統領が年次教書演説、過激派の政情不安扇動を批判

首相に任命されたメドベージェフ氏〔AFPBB News〕

残り3117文字

 プーチン新大統領は今年5月21日、新内閣の閣僚名簿を承認。ここに、ドミトリー・メドベージェフ内閣が誕生。ここではまず、新内閣誕生に至る経緯を概観したいと思います。

 プーチン首相(59)は5月7日、新大統領に就任(任期6年間)。就任後直ちに、メドベージェフ前大統領(46)を首相候補に指名。露下院は翌8日、299票の賛成多数を以ってメドベージェフ首相候補を承認。同日、メドベージェフ新首相が誕生しました。

 露憲法の規定により、新首相は就任後1週間以内に組閣名簿を大統領に提出することになっています。

 メドベージェフ首相の5月8日首相選出後、直ちに閣僚名簿が提出され、組閣公表されるものと予測されておりました。ところが、最終日の15日に閣僚名簿が大統領に提出され、21日組閣となりました。

 ここで、プーチン新大統領が誕生した2000年5月7日から今回の組閣まで、首相誕生から組閣までの推移を概観してみたいと思います。

 プーチン新大統領は2000年5月7日大統領就任後、エリツィン派閥のミハイル・カシアノフ氏を首相指名(5月10日)。同氏は5月17日首相に選出され、20日組閣。首相選出から組閣まで要した時間は3日間でした。

 2004年5月7日に2期目の大統領に就任したプーチン氏は同日、ミハイル・フラトコフ氏を首相指名。同氏は12日首相に選出され、20日組閣。組閣に要した日にちは8日間。

 2008年5月7日大統領に就任したメドベージェフ氏は同日、プーチン氏を首相指名。翌8日には首相に選出され、12日組閣。組閣に要した日にちは4日間。

 しかるに今回は、首相選出が5月8日。組閣名簿提出が15日、組閣が21日となり、首相選出から組閣まで13日間もかかりました。

 そもそも、昨年9月24日の「統一ロシア」党大会にてタンデム交代が発表され、今年3月4日にはプーチン首相が大統領選挙に当選しています。