桜が咲き始めた日本列島。桜色を帯びてくる景色に心躍る人は多いのではないでしょうか。桜の美しい日本の春にピッタリのワインは、なんと言ってもロゼワインです。
ロゼワインは少し前までは夏のワインというイメージがありました。南仏の高級避暑地でヴァカンスに飲まれている地ワインの「コート・ド・プロヴァンス」や「タヴェル」というロゼワインが有名だからです。
10年ほど前から世界的にロゼワインのブームが始まったと言われています。実際にアメリカでは前年比で45%も消費量が伸びた年もありました。
ヨーロッパやアメリカのレストランに行くと、ワインリストに載っているロゼワインの豊富さに目を奪われます。今では、ボルドーの有名シャトーもロゼワインを生産するようになりました。
日本では毎年のように「ロゼワインが流行る」と言われますが、実際にブームと言えるほどの動きになったことはありません。まだまだ日本でのロゼワインのイメージは「甘いお酒」であり、「よく分からないワイン」という位置付けにとどまっているようです。
レストランでも「売れない」と敬遠されているようで、あまり用意されていません。ワインリストの中で1種類見つけるのが精一杯です。
その最大の原因として、輸入業者をはじめとした日本のワイン業者が仕入れに躊躇していることが挙げられます。なぜなら、熟成が求められる赤ワインと違って、ロゼワインには鮮度が求められるからです。
見えない賞味期限のあるロゼワインを、ロゼワイン消費の少ない日本に大量に仕入れるのは、とても勇気がいることなのです。