サムスン電子の快進撃はどこまで続くのか。2012年も、世界の電子・家電業界の最大の注目点はこの一点だ。
年明け早々から猛スピードで走り始め、今年は過去最高の20兆ウォン(1円=14ウォン)の営業利益を叩き出すとの予測も相次いでいる。
「こんな話をするのもどうかとも思うが、日本はあまりに先行したためか、今はちょっと力がなくなってしまったかな。中国は、若い国で、一生懸命追いつこうとしているが、韓国についてくるにはまだ少し時間がかかるようだ」
2012年1月12日。米ラスベガスで開催中の冬季家電見本市(CES)会場で、視察を終えたサムスン電子の李健熙(イ・ゴンヒ)会長(70)は、取り囲んだ記者たちから「日本と中国企業の展示の印象はどうか?」と問われ、こう答えた。常に、注意深く発言をすることで知られる李会長としては、珍しく率直な感想だ。
日本を抜き去り、中国の追撃を振り払ったという確たる自信
つい5年前。李会長は「中国は追いかけてきているし、日本はどんどん先行する。韓国は、日本と中国の間に挟まれるサンドイッチ状態だ」と強い危機感を表明した。この「韓国サンドイッチ論」は韓国の経済界での大きな話題となった。
その李会長が、こんな発言をするのは、この間、サムスン電子が圧倒的な力で日本を追い抜き、中国の追撃を振り払ったという確固たる自信があるからだろう。
サムスン電子のテレビやスマートフォンなどを直接長時間見た李会長はさらに、「競合企業に比べてサムスン電子がさらに先行したようだ」と自身満々の感想を漏らした。
もちろん、その一方で、「気合いを入れていないとすぐに転落するという思いがし、さらに緊張した」とも語って、慢心を戒めたが、年明け早々から、絶対的な自信を示した形だ。
2012年もサムスン電子は威勢のよいニュースで年明けを迎えた。1月6日には、2011年10~12月期の営業利益が過去最高の5兆2000億ウォン前後に達したとの見通しを発表した。