今週はユーロ危機に関する記事が読者の関心を集めた。週間PV数を見ると、ランキングベストテン内に4本、切羽詰ったユーロ関連の記事が入っている。

 英エコノミスト誌の『ユーロ崩壊の足音:落下物に要注意』は、ユーロ圏の単一通貨とEUそのものが崩壊するリスクの高さについて、多面的な分析を行っている。

 同誌の『ユーロ圏:本当にこれで終わりなのか?』では、緊縮財政の強化によるユーロ圏の景気後退と、それが招く悪循環への懸念が示され、ドイツとECB(欧州中央銀行)の対応がカギになると述べられている。

 フィナンシャル・タイムズ紙は『ユーロ圏、崩壊回避なるか?』で、ユーロ圏に必要な3つの決断を提示しているが、3番目に挙げられている「財政同盟」は、国家主権の一部放棄と新たな制度的枠組みの創設を伴うため、政治的な問題をはらむものだ。

 また、『現代に忍び寄る「1930年代の影」』で筆者のギデオン・ラックマン(Gideon Rachman)は、欧州の経済危機リスクを恐慌から世界大戦へと突き進んだ1930年代と比較し、その相似と違いを論じている。

 同筆者は、ユーロ危機の根本的な原因について、9月21日付の『単一通貨ユーロが抱える本当の「致命的欠陥」』で過去の議論も含めた考察を行っているので、興味がある方はご一読を。

 さて、悲観的な見方が強まるユーロ問題とは対照的に、日本に対する世界の評価について嬉しくなる話題が週間PV数上位にランクインした。『ロシアで大人気、日本文化フェスティバル』と、『世界から好かれる国、ニッポンをもっと売ろう』である。

 ロシアの日本文化フェスティバル(J-Fest)は日本のポップカルチャーを紹介するイベントだが、今年は来場者が前年比で倍増し、コスプレイヤーやロリータファッションを纏った若者であふれ返る盛況ぶりだったという。

 一方、シンガポールやタイでは「日式西洋餐~Japanese Style Western Cuisine」といわれる日本人がアレンジした洋食が人気で、日本式のファストフード店やスイーツ店なども含め、多くの日本レストランがひしめいている。近々シンガポールでは日本の料理番組を配信する計画もあるそうだ。