プラスチック製品価格談合で10社に総額134億円の課徴金 - 韓国

ハイニックス買収で大きな賭けに出るSKグループ〔AFPBB News

 韓国3位の財閥であるSKグループの主力企業で携帯電話サービス最大手のSKテレコムが2011年11月14日、ハイニックス半導体を買収することで同社の大株主である金融機関と合意、契約した。

 買収金額は3兆4267億ウォン(1円=14ウォン)と巨額で、SKグループにとっては、事業規模拡大のための大きな「賭け」とも言える買収だ。

 SKグループは、オーナー会長の投機失敗に絡む疑惑で検察の大がかりな強制捜査を受けている最中で、「買収を断念する」との見方も一部あったが、強行突破の道を選んだ形だ。

 SKグループを率いる崔泰源(チェ・テオン)会長(50)にとっては、最悪のタイミングになってしまった。契約の4日前の11月10日、SKテレコムは理事(取締役)会でハイニックス買収を決議した。本来ならばグループの新たな拡大を宣言する日であるはずだった。

 ところが、まったくそれどころではなくなった。検察捜査の手が自らに迫ってきたからだ。

最悪のタイミングで起きた強制捜査

 経緯はこうだ。2011年4月に、崔会長が先物取引などで1000億ウォン以上の巨額の損失を出したことが明らかになった。SKグループは、「会長個人の投資でグループ企業は一切関与していない」と説明していたが、その後、「損失の穴埋めに巨額の会社の資金が流用されていた」などの疑惑が次から次へと出てきてソウル地検も捜査に乗り出していた。

 11月8日早朝、ソウル地検の検事が、グループ本社やSKテレコムなどに一斉に強制捜査に入った。14時間にわたる捜査で大量の文書とコンピューターのハードディスクなどを次々と押収した。

 韓国メディアによると、検察側は、崔会長の投資金額を5000億ウォン前後と見ている。このうちかなりの額を金融機関からの借入金でまかなったが、巨額の損失が出たため、借入金の返済や損失金の処理にグループ会社の資金を流用したとして捜査に乗り出したもようだ。

 検察は資金の流れをある程度把握しているようで、強制捜査後に、まず、グループの財務分野の最高責任者である崔会長の実弟の副会長(48)などから事情を聞く可能性が高い。さらに捜査が崔会長にまで及ぶのは必至との声が強まっている。