前回は、時間、エネルギー、お金という男性の持つ資産をどのように使ったら最も経済合理性が高いのか、それを「男女間のキスの価格」という例題を使って考察してきました。今回はその続編で、もう少し具体的に見ていきます。

「キスの値段」から考える適正投資

マクドナルド撤退のアイスランド、最後の「マック」に顧客が殺到

ファストフードのデートは論外? 写真は撤退直前、込み合うアイスランド、レイキャビクのマクドナルド店〔AFPBB News

 まず、男性が女性に1回当たりおごる額についてですが、安すぎてはもちろんよくありません。

 その理由は、食事内容や雰囲気のグレードが下がるということ以上に、その女性との食事をする価格、言い換えると、食事において男性が払う金額が、男性が女性の魅力につけた価格を表していると考えられるからです。

 いくらおいしくてムードのある店を見つけても、食事代が例えば2000円だったら、女性はあまり喜ばないでしょう。

 店を選択する能力を評価するより、自分を安く価格づけされたという否定的な感情(たとえ男性がそのような意識がないにしても)が起こるためです。

 また、デートで20%引きなどの割引クーポンを使うと女性からの評価は芳しくありませんが、これも男性が払う金額が女性の価値を表しているからであると思われます。女性からすると、自分の価格を割り引いているように感じてしまうようです。

高過ぎる食事も女性にプレッシャーを与えてしまう

 逆に高過ぎてもよくないのは、女性がもう少しデートを重ねて男性の評価をしたい時に、いきなりセックスを提供しないといけないのではないかという、目に見えないプレッシャーを感じてしまうからであると思われます。

 例えば、1回目で2万円の食事をいきなりおごったりすると、かなりプレッシャーを感じてしまうことでしょう。女性が男性に対して非常に好意を持っていれば問題ありませんが、そのような場合はむしろ最初から相場の7000円をおごるだけで、1回目や2回目などの早い段階で目的を達成できると思います。

 以上の考察により、この例題の答えは、シンプルに以下のようになります。

・男女の魅力度の点数が同程度であれば、毎回の食事でおごる額を7000円とする

・3回目のデートでキス、5回目のデートでセックスを目安として、キスまでの投資は5回を超えない