米グーグルのエリック・シュミット会長が、米ウォールストリート・ジャーナルの技術系情報サイト「オールシングスデジタル」の公開インタビューに登壇し、「私はソーシャルネットワーキング分野で方向性を間違った」と語ったと海外メディアが伝えている。
シュミット氏がグーグルの最高経営責任者(CEO)を退いて会長職に専念したのは今年の4月。それまでの10年の経験を通して、同氏が今のネット市場をどう見ているのかが分かる内容だ。
「フェイスブックには称賛すべき功績がある」
この中で同氏は、「今のネット市場で情報伝達を向上させるためには、ユーザーやその友人が誰であるかという情報が重要になる」とし、そうした情報を入手できるソーシャルネットワーキングの分野でグーグルは出遅れたと説明している。
「何かをしなければならないことは明白だったが、私はしなかった」「CEOは責任を取るべきだ。私は失敗した」と述べたと米ブルームバーグは伝えている。
米フェイスブックは実名登録制のサービスを展開し、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)世界最大手となった。ユーザーに現実社会のプロフィールを入力してもらい、それらの情報をもとに人々がネットでつながる仕組みを提供した。
その人物が誰であるかや、嗜好までもが分かる仕組みが奏功し、フェイスブックはネット広告市場でグーグルなどの脅威となった。
シュミット会長は、「フェイスブックには数々の称賛すべき功績がある」としたうえで、「グーグルもその膨大なユーザーにアクセスしようとフェイスブックとの提携を試みた。しかし結局は提案を拒否され、フェイスブックは米マイクロソフトと提携した」と述べている。
ネットは「4人組の一団」が支配している
また同氏は、今の消費者向けネットの市場は「4人組の一団」によって支配されているとも述べている。その“4人”とは、グーグル、フェイスブック、アップル、アマゾン・ドットコムの4社のことだ。いずれも自社のネットサービス上で他社のサービスが展開されるという、いわゆるプラットフォーム戦略に成功している企業だ。