写真:AP/アフロ

セイバーメトリクスの落とし穴』という本が売れている。著書は「お股ニキ」――Twitterをしている野球ファンであれば一度は目にしたことがあるかもしれない。前回はその評判と、ダルビッシュ有ら有名選手らとのやり取りをご紹介したが、今回は、お股さん本人に直撃した。(JBpress)

そもそもなぜ、お股さん・・・なの?

――まずTwitterのアカウントと同名の「お股ニキ」という著者名ですが、かなり個性的ですね。由来は何でしょうか?

「その質問はよく受けますね(笑)。以前、ガッチャンというハンドルネームを使っていた時期があったんですが、そのとき知り合いが、私に対して、再びという意味で、『またガッチャンの勘違いじゃないの?』って呟いたんです。それを“またガッチャン”という一つのハンドルネームだと勘違いした別の知人がいて、それがきっかけで、“またさん”とか、“おまた”と呼ばれるようになりました。それから、現在はお股クラスタと呼ばれる弟分たちができるようになって、年齢的にも彼らより上なので、元阪神の金本監督じゃないですけど、アニキのような存在だということで、その両方が合わさって、お股ニキとなったわけです」

――なるほど。次に書籍出版に至った経緯について教えてください。

「昨年の7月に、光文社新書編集部の公式Twitterアカウントから、執筆依頼があったんです。編集部にしてみれば、正体もわからないし、もちろん連絡先もわからない。DMも開放していなかったので、それしか方法がなかったわけですが、初めは半信半疑でしたね」

――Twitterでの原稿依頼だったわけですね。その時の率直な気持ちは?

「先ほど話したお股クラスタたちから、『お股さんなら野球論の本を出せるんじゃないですか?』と言われていたこともあって、自分でもいつか自費出版や電子出版でもいいから、自分の野球に対する考えをまとめてみたいなと思っていたんです。だから、ある程度自信があったというか、遂にチャンスが来たな・・・と。だから3日後には連絡をして、やらせていただくことにしました。8月から徐々に書き始めて、11月には脱稿したので、そんなに苦労したという思いはありません。初めて書く私を編集者の方がうまく助けてくださったのも大きかったです」

――3月に発売されたその処女作が、すでに4刷(光文社新書としては最速の重版)となり、話題です。他の野球本と比較してどの部分が好評を博したのか。ご自身では、どこに違いがあると認識されているのですか?

「これまでありそうでなかった視点というか・・・。既存の野球の戦術関連書籍は大きく二つに分類されると思うんです。一つは、現場の選手・監督の視点から書かれたもの。もう一つは、見る側の視点からデータを重視したもの。その中間の視点からの考察が、評価してもらえたんじゃないでしょうか。本書内で触れているスラッターのような感じですかね(笑)。少しかっこよく言えば、感性とデータとの融合」