韓国、「ナッツ事件」再発防止で改正法施行 罰則を大幅強化

韓国ソウルの高等法院(高裁)を退廷し、記者団に囲まれる大韓航空の趙顕娥前副社長(2015年5月22日撮影、資料写真)〔AFPBB News

 日本でも連日大きく報道されてすっかり有名になった大韓航空オーナー会長の長女による「ナッツリターン事件」。企業人、特にオーナー家の2世、3世たちの奇行が批判の的になったが、改まる様子はない。不祥事が相次いでいるのだ。

 「誠に申し訳ありません。心から反省しています」

 2016年3月以降、何度同じような記事を読んだことだろうか。これほど続くと同じ事件を繰り返し報じているのかと錯覚してしまうが、中身はそっくりでも「主役」は毎回違う。

現代自動車グループ企業の社長が暴行

 「頭を下げてお詫びいたします」

 2016年4月8日、現代自動車グループでステンレス事業などを手がける現代BNGスチールの鄭日宣(チョン・イルソン=1970年生)社長が、自社のホームページにこんな題名のコメントを掲載した。

 韓国メディアはこれより前に、鄭日宣社長が、自分の運転手に対して常習的に暴言を投げつけ、頭を殴るなど暴行もあったと一斉に報じた。

 ある運転手経験者は韓国メディアに「鄭日宣社長はボクシングを練習しており、頭を叩かれて本当に痛かった」と告白している。本当ならすごい暴力だ。

 韓国メディアによると、鄭日宣社長は、非人間的な詳細なマニュアルを作成して運転手に渡していた。

 「社長が出るまでモーニングコールをすること」「朝、『行くぞ!』という携帯メッセージを受け取ったら稲妻のように走って玄関に向かう」「30分前には家の近くで待機」・・・などから始まり、クリーニング店への洗濯物の届け方、かばんを置く位置などこと細かく書いてあるという。