2016年4月13日に投開票した韓国の総選挙は、政権与党のセヌリ党がまさかの惨敗を喫し、過半数維持どころか第2党に転落する危機に陥った。つい1カ月前までは与党の圧勝説も強かったが、直前に民心が「政権への警告」に転じてしまった。
選挙の翌日、ソウルは霧に覆われた。朝6時のKBSニュースは、国会があるソウル中心部の汝矣島(ヨイド)の模様を中継しながら、この日を天気をこう伝えた。
「霧だけでなく、PM2.5(微小粒子状物質)濃度も高くなり、さらに黄砂の影響もありそうです。視界は不断の3分の1ですので運転に注意ください」
韓国政局は「視界不良」に
4月13日の総選挙(韓国では「第20代国会議員選挙」と呼ぶ)の結果、韓国の政局はこの日の天気のように「視界不良」になってしまった。
◇韓国総選挙の結果◇
セヌリ党 122(選挙直前146)
民主党 123(同102)
国民の党 38(同20)
無所属・その他 17
◇ ◇
選挙結果についてはすでに報じられている通りだ。
全300議席のうち、与党セヌリ党は122議席。選挙直前の146議席から大きく減らした。惨敗だった。
無所属議員を入党させて第1党を確保する可能性があるが、重要法案の処理などでこれまで以上に手間取ることは間違いない。
与党の傲慢に厳しい審判
14日付の大手紙は、1面トップにこんな見出しを掲げた。
「セヌリ党惨敗…民心は傲慢を審判した」(毎日経済新聞)
「セヌリ党が審判を受けた」(中央日報)
1か月ほど前までは、今回の選挙は与党の楽勝とも言われた。朴槿恵(パク・クネ=1952年生)大統領への支持率は就任3年目の大統領としては、依然高かった。