米グーグルがスマートフォンを使って買い物の決済が行える新サービスを米国で始めると、米メディアが報じている。同社のモバイル基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」を搭載したスマートフォンに電子決済の機能を組み込み、店舗の端末にかざして精算する、というサービスを発表するという。
まずはニューヨークとサンフランシスコで
サービスに参加するのは、クレジットカードのマスターカード・ワールドワイド、金融大手のシティグループ、百貨店のメーシーズ、アパレルのアメリカン・イーグル・アウトフィッターズ、そしてファストフードチェーンのサブウェイで、まずはニューヨークやサンフランシスコで始まる見込みと米ニューヨーク・タイムズや米ウォールストリート・ジャーナルが報じている。
利用するのは「NFC(Near Field Communication:近距離無線通信)」と呼ぶ技術。
日本のおサイフケータイにはソニーが開発した非接触IC技術「フェリカ(FeliCa)」が使われているが、海外ではオランダNXPセミコンダクターズ(旧フィリップス・セミコンダクターズ)が開発した「マイフェア(MIFARE)」が普及している。
このNFCは、ソニーとNXPセミコンダクターズが共同開発したもので、両者の後継と言える国際標準規格だ。
グーグルはすでに韓国サムスン電子と協力して、グーグルブランドのスマートフォン「ネクサスS(Nexus S)」にNFCチップを組み込んでいる。これと最新のアンドロイドOSに搭載する機能を組み合わせ、サービスを展開するもようだ。
同時にグーグルは、ネクサスSの通信サービス会社の1つ、米スプリント・ネクステルとも協力しており、同社の通信ネットワークを利用したNFCサービスを年内にも始めるとウォールストリート・ジャーナルは報じている。
普及が遅れていた米国のモバイル決済
利用方法は、店頭の端末にスマートフォンをかざして精算を済ませるというもので、おサイフケータイとほぼ同じだ。
ニューヨーク・タイムズの記事では、シティグループの発行するマスターカードのクレジットカード情報を使った後払い方式と、グーグルとマスターカードによるプリペイド方式のサービスが提供されると伝えている。
マスターカードのICカード決済システム「ペイパス(PayPass)」の端末を置いている12万4000の店舗で利用できるようになるという。