「引き続き力を尽くして不動産市場を安定化させ、新規不動産用地の供給を合理的に制御し、都市部の実情に応じた制限措置の緩和を行い、個人の住宅ローン利率を下げ、『購入した住宅の確実な引き渡し』が全面的にきちんと行われるようにしていく」

 不動産バブルの崩壊が、現在の中国経済悪化の根源であることは周知の事実なのに、政府の対策の本気度が見られない。おそらく、AIやロボットなど先端産業を伸ばすことでカバーしていこうということなのだろうが、そうしている間にも、不動産が底知れぬ落ち方をしている。このままでは地方経済が破綻していく懸念がある。

環境問題は確かに改善

「引き続き製造業のデジタル化による転換と、『AI+α』行動を推進し、業界での応用を加速的に定着させ、新たなスマート端末を不断に創り出している」

 あらゆる業界にAIを活用する政策は、アメリカとともに急速に進んでいる。中国ではまもなく、小学生からAI教育が始まる。

「貿易は安定して拡大しており、輸出は6.1%伸びた、外資安定化行動案を出し、新設の外資企業数は19.1%増加した。自由貿易試験区の高度化戦略を実施し、海南自由貿易港は全島で起動した。ハイレベルの『一帯一路』を推進し、各分野での実務協力のレベルを不断に引き上げていく」

 まさに中国経済は「輸出一本足打法」で、輸入は前年と同額だった(ドルベース)。外資企業数が伸びているというが、伸びているのは主に発展途上国の企業で、日系企業は顕著に減っており、残っても規模を縮小する企業が多い。また、中国経済の悪化によって、習近平政権の広域経済構想「一帯一路」は岐路に立たされている。

「都市部のPM2.5の平均濃度は4.4%低下した」

 習近平政権で私が一番評価できるのは、環境問題を改善したことだ。中国では「藍い空(藍天)・碧の水(碧水)・きれいな土(浄土)の保衛戦」と呼んでいる。

「保護主義と一国覇権の道に断固として反対し、多国間主義と開放・協力を断固として維持・保護し、第二次世界大戦の勝利の成果を断固として死守する。グローバルガバナンス・イニシアティブを提唱し、人類運命共同体の構築を推進していく」

 一句目と二句目は反米で、三句目は反日。これでどうして人類運命共同体を作れるのだろう?

「過去5年、住民の一人当たりの可処分所得は年平均で5.4%増加し、都市部の新規就業者数は累計で6000万人増加した」

 5年前は「ゼロコロナ政策」時代であり、その時と比較してもあまり意味があるとは思えない。5年で新規就業者数が6000万人というのも、これだけの不況下で数字のマジックに思えてならない。