戦時作戦統制権の移管は「外国軍に依存しない自主国防」の大前提

 しかし、「外国軍に依存しない自主国防」を主張する左派政権が誕生するたびに、韓国では米軍から戦作権を移管することが安保の最重要課題として浮上してきた経緯がある。

 盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代の2007年に戦作権移管のための交渉が初めて開始された、文在寅(ムン・ジェイン)政権では早期移管を目標としたが実現しなかった。

 保守政権である尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は戦作権移管を留保する立場だったが、再び李在明大統領による左派政権が誕生したことで、政権任期中の2030年以前に戦作権を移管するという目標を定めている。

 一方、ビジネスマン出身のトランプ大統領は、戦作権問題を「コスト」の側面からアプローチしている。韓国が戦作権の返還を望むのであれば、より多くの軍事費を支出すべきだという立場で、韓国政府の構想に反対はしていない。実際、共同ファクトシートにも「戦時作戦統制権の早期移管」を明記した。

 現在、米韓両国は韓国軍の戦争遂行能力を評価する3段階にわたる検証を進めており、韓国政府は年内に第2段階の検証を終え、10月の米韓安保協議会議(SCM)で「2028年の移管」という目標設定を推進している。

 しかし、この日程は軍事的な検証だけでなく、政治的な信頼に大きく依存する。戦作権の移管は、技術的条件の充足だけで決定される事案ではなく、同盟全般の信頼レベルを反映する政治的決定だからだ。そういう意味で、通商摩擦が激しくなるほど、米国内では「韓国は信頼できない」という懐疑論が強まらざるを得ない。