見かけたときは後ろ向きで座っていたので、まっ黒な猫かと思いました。「ガットネーグロ?(黒猫?)」と小さく声をかけると、若いメス猫はノビをして、喉の白い部分を見せるようにこちらを向きました。

「あ、白い部分がチャーミング。マニキュアしたみたいに爪先が白いんだね」。そんなふうに話しかけていたら、ゴローンと寝転がり、もっとほめて、きれいっていってというように、おなかの模様も見せてくれました。

 最初、驚いているのかと思いましたが、そうではないようです。目が大きくてはっきりしているために、驚いているように見える顔つきの猫でした。

 茶色のコッカースパニエルが、急に抜き足差し足になったので、どうしたのかな?と思ったそのとき、小さな犬が飛び出してきて、コッカーくんにまとわりつきました。コッカーくんは「わかった、もういい」と小さな犬からの「愛と慕情」を軽く受け流して走り去りました。