(写真:ideyuu1244/イメージマート)
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少子化対策の財源となる「子ども・子育て支援金」の徴収が、新年度からスタートします。子どものいない一般家庭からも徴収されるため、“独身税”との批判も根強い同制度。その仕組みや使途はどうなっているのでしょうか。本当に少子化対策に有効なのでしょうか。間もなく始まる徴収を前に「子ども・子育て支援金」をやさしく解説します。

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少子化対策の切り札?

 今さら語るまでもなく、日本の少子化は激しい速度で進んでいます。内閣府の資料によると、2016年に出生数が初めて年間100万人を割り込むと、3年後の2019年には90万人を割り込みました。そして2022 年には80万人に届かない77万人となり、統計を取り始めた明治32(1899)年以来、最低を記録。そして、2024年にはついに70万人を割り込み、68万人となりました。そして、このトレンドが続けば、2060 年ごろには50万人を割り込んでしまうと予想されています。

 この少子化は、人口全体の減少に直結します。

 総務省統計局によると、2026年1月現在、日本の総人口は約1億2295万人(推計)。前年同月に比べて約60万人の減少となりました。この1年間で鳥取県(約63万人)に匹敵する人口が失われた計算です。

 今後も人口100万人規模の県や大都市が毎年1つ消滅するようなスピードで人口減少が進むと予測されており、2050年代には1億人割れ、2060年代に9000万人割れを引き起こす見込みです。2070年の総人口は8700万人程度。わずか40年余りで、日本は人口の3分の1を失う恐れがあるのです。

 こうした状況を踏まえて策定されたのが「こども未来戦略」です。若年人口が急激に減少する2030年代に入るまでが「少子化を反転させる最後のチャンス」と位置付け、2025〜2027年度の3年間に対策の加速化プランを実施する方針を打ち出しました。その中には、次のような内容が含まれています。

◎児童手当の拡充:所得制限の撤廃、高校生も支援対象に(1人につき月1万円)、第3子以降は月1万5000円を月3万円に
◎妊娠届出時に5万円支給
◎育児期間中の国民年金保険料を免除
◎「育児時短就業給付」の創設:子どもが2歳未満の期間に時短勤務を選択した場合、時短勤務時の賃金の原則10%を支給

 これらの事業を含む未来戦略の予算規模は年3兆6000億円に上ります。こども家庭庁によると、財源は大きく3つ。

 1つは社会保障の歳出見直しで、これにより1兆1000億円程度を捻出。2つ目は既存予算の活用で1兆5000億円。3つ目が医療保険料と併せて国民から新たに徴収する「子ども・子育て支援金」で、これにより残り1兆円を賄う考えです。

 つまり、この支援金とは、“支援金”という言葉のイメージとは違い、健康保険の加入者から毎月、一定の金額を徴収されていくお金のことなのです。