つまり、JASM P2の運命は熊本ではなく台湾で決まる。最先端工場を国内に誘致しても、利益を左右する鍵が国外にある。この事実は日本の半導体政策にとって極めて重い。

それでもN3は正しい選択である

 ここまで読むと悲観的に聞こえるかもしれない。しかし誤解してはならない。N3への決断自体は正しい。もしN7のまま建設していたなら、成功確率はさらに低かっただろう。

 問題はノードではない。日本が後工程まで含めた統合戦略を持てるかどうかである。もし日本にCoWoSの先端パッケージ拠点が整備されれば、JASMの評価は一変する。逆にそれがなければ、最先端半導体工場を持っていても利益の大部分は海の向こう側で決まる。

 最後に、あえて強い言葉で締めたい。半導体は、前工程の最先端工場を建てるだけでは勝てない。これは、例えるなら、港を持たない造船国が海を支配できないのと同じである。

 いま日本に問われているのは、CoWoSパッケージという“港”を持つ覚悟があるかどうか、ということに尽きる。