なぜN7でもN4でもなくN3なのか
JASM P2が最終的にN3へジャンプした理由は比較的明快である。図1に示したTSMCのノード別売上構成を見ると、N7世代の売上比率はすでに低下局面に入り、N5世代(N4はN5の改良版)もピークを越えつつあることが分かる。
半導体市場では、需要が減速し始めた世代に新規投資を行えば、工場完成時には供給過剰に陥るリスクが高い。したがって、これから数兆円以上の規模の資本を投じるのであれば、成長軌道にあるノードを選ぶ以外に選択肢はない。
半導体の歴史は、「ピークアウトした世代への投資は例外なく企業を苦しめる」ことを繰り返し証明してきた。そう考えれば、N3への決断は賭けではない。むしろ唯一合理的な選択だったといえる。
しかし、重要なのはノードの選択ではない。その工場が利益を出して成立するかどうかである。
成熟ノードの残酷な採算構造
まず、図2に、JASMにおけるノード別の月産キャパシティ、トランジスタ種類、チップ当たりの最先端露光装置EUVの層数、ウエハ平均販売価格(Average Selling Price、ASP)、ウエハ当たりの変動費、月当たりの固定費を整理しておく。

